「私のスポーツダーツプロジェクト」 青森・父娘がダーツで地域活性化編~後編~

 「私のスポーツダーツプロジェクト」は、ダーツを使った福祉活動や交流会、街の活性化など、さまざまな問題の解決に向けてすでに活動をおこなっている「先輩」を紹介する企画です。

 詳細はコチラ。あなたのスポーツダーツプロジェクトのご応募、随時お待ちしております!


 今回は前後編でお送りしている「私のスポーツダーツプロジェクト」。後編は、鹿内麻友(しかない まゆ)選手の父・史芳(ふみよし)さんのスポーツダーツプロジェクトをお送りします。

 前編はこちら⇒「私のスポーツダーツプロジェクト」 青森・父娘がダーツで地域活性化編~前編~

 まずは鹿内父娘(おやこ)が取り組む「スポーツダーツプロジェクト」について、改めておさらいです。

「鹿内父娘のスポーツダーツプロジェクト」
・娘である鹿内麻友さんは、プロダーツプレイヤー兼店長さん! そして地域の一大イベントで約1,500名の子どもたちにダーツ体験をさせることに成功

・父である鹿内史芳さんも、ダーツ店のオーナー。ダーツを健康スポーツとしてとらえ、お店を経営しながら、デイサービス施設で約6年間高齢者の方へダーツを教える

・鹿内父娘はダーツを地域の健康スポーツとしてとらえており、「どうやったらダーツの良さを地域に還元できるか」を考えながら、お店の経営や地域貢献に従事している

父はデイサービス施設でダーツのインストラクターをつとめる

 鹿内家の父・史芳さんは、青森市にある「SEVEN HORSE」というお店のオーナーさんです。そして、青森市の青年会議所に所属していました。青年会議所はいわば、地元の異業種経営者の集まり。集まったメンバーが、さまざまな業種の仲間と一緒に、地元へのボランティアや奉仕活動をおこなっています。

父・史芳さんがオーナーをされている青森市の「SEVEN HORSE」店内

 その青年会議所で、デイサービス事業を経営されている「社会福祉法人青空会」の理事長さんと出会い、何度目かの会合で話していた時のこと。理事長さんから「うちの施設にダーツマシンを置いて、高齢者の方に少しでも楽しんでもらいたい」という提案を受け、史芳さんはダーツの設置に向かいます。そして、そのまま施設利用者の方にダーツを教えるインストラクターになりました。

 ※現在、ダーツ講座は新型コロナウイルスの影響で休止中です。

背筋もしっかりされていて、きれいなフォームです。
点数計算で頭を使いながら、自分のダーツを抜くためにマシンまでしっかり歩きます。
力強いスローイング! 普段はこの動き、なかなかしませんよね。

 利用者である高齢者の方々に、勝ち負けがあるダーツは大好評! ただ投げるだけでなく、だんだんとゲームも取り入れ、対戦もするように。体のどこかが不自由でも、スローラインからダーツマシンまでの往復も嫌がらない。ダーツが楽しいからこそ頑張れるという高齢者の方が多かったとのこと。参加者の方々が熱心に頑張るほど、見守るスタッフさん側も「すごい!」「うまい!」「がんばれ!」という応援の声がどんどん大きくなっていったそうです。

 また、ダーツ講座が休止になる直前には、スタンダードクリケットを使った対戦の方が人気があったそうです。参加者の方いわく「もうゼロワン飽きちゃった。ルールが難しいクリケットのほうが、いろいろ考えるし楽しい」とのこと。あまりのたくましいお言葉に、こちらも背筋が伸びる思いがしました。

鹿内家のポリシーは
「どうやったらダーツの良さを地域に還元できるか考えること」

 今回の記事を書くにあたり、インタビューを受けてくださったのは父の史芳さん。地域への奉仕活動に積極的な鹿内家のルーツを教えてくれました。

(写真左)鹿内麻友選手、(写真右)鹿内選手の父・鹿内史芳さん

– さまざまなエピソードを伺って、鹿内家には地域奉仕について特別な思いがあるように感じました。きっかけや理由などがあればぜひ教えてください。

 私たち父娘(おやこ)がお店を営んでいく上で大切にしているのは、「娯楽文化の賑わいを通じ健やかで安心な社会づくりに貢献する」こと。これは、私が考えた地域との約束です。また、青年会議所での活動のおかげで、地域に対するボランティアと奉仕活動も自然なこととして受け止めていました。そして「ダーツの楽しさ」を地域に還元し、少しでもスポーツとしてダーツを受けとめてもらいたいというお店の経営方針を、スタッフみんなで共有しています。

– 史芳さんが自分のお店「SEVEN HORSE」を始めたのは、どんなきっかけがあったんでしょうか?

 ダーツが好きで、12年前に店を開きました。いわゆる「第一次ダーツブーム」の頃で、ダーツライブ(最初のマシン)が登場したときです。地元にもダーツが投げられるお店はたくさんできて、その中でも自分の店は「投げたい!」「うまくなりたい!」という、いわゆるプレイヤー志向の方が多く集まるお店でした。

 だからこそ、長く深く、たくさん楽しんでもらえるように、店舗側も工夫を凝らしましたね。アイデアをたくさん集めて店内イベントを行い、さらに地方大会の主催も自分がしていました。ほかにも、一般的な大会ではなかなかないガロン戦(4対4)の入った特別な大会を11年間続けてきました。

– 本当に熱心に地元の支援をされているんですね。鹿内選手(娘の麻友さん)が弘前市にお店を開いたのも、育った環境が影響しているのでしょうか?

 そうだと思います。「GAJUMARU」ができる前、弘前市はダーツのお店が全然なくなっていて。「SEVEN HORSE」が、知らない人同士でも集まって真剣勝負ができる、コミュニケーションを大切にするお店なので、そういう場所をなくしたくないと思い、お店を開くことになりました。

 「SEVEN HORSE」で育った娘の麻友も、同じ気持ちでいてくれて、だからこそ「GAJUMARU」の店長として日々がんばり、弘前城のイベントも成功させるため尽力していました。ちなみに、弘前城のイベントは本当に麻友がほぼひとりで運営しており、私は全然手伝っていません(笑)。

– たくさんの素敵なエピソードをありがとうございました! 最後に、今後の展望やスポーツダーツについてのご意見をお願いします。

 自分の趣味であり職業でもあるダーツの良さを、まわりにどんどん伝えることで地域の活性化につなげていきたいですね。弘前城でのイベントでは、たくさんの子どもたちにダーツを見てもらうことができて、楽しく遊んでもらえました。毎日お店の常連さんを相手にダーツの楽しさを共有してきましたが、新しい希望が見えた気がしました。今回は弘前城のイベントでしたが、場所はどこでもいいから、また別の機会で子どもたちにダーツに触れてもらいたいなと思っています。娘が頑張って作った実績を大切に、これからも地域に奉仕していきたいですね。

 そして、スポーツダーツプロジェクトについては「とてもいい企画が始まったなぁ」と感じました。このプロジェクトをきっかけに、もっといろんな人にダーツを見てもらい、知ってもらえる機会が増えるのではないかと期待しています。プロジェクトを進めるのにあたり、自分にもできることがあればぜひ何かしたいなと思っています。

鹿内父娘の「地域活性化」を目指したスポーツダーツプロジェクト。今後もより多くの方、とくにお店に来られない子どもたちにも注目してもらえるよう、当プロジェクトも協力していきたいと思います。取材にご協力いただきました鹿内さん、本当にありがとうございました!

スポーツダーツプロジェクト事務局では、どんどん「先輩」を紹介して、ダーツがこんなに活用されているんだ! ということをPRしていきたいと思っています。
企画の詳細はコチラ。あなたのスポーツダーツプロジェクトのご応募、随時お待ちしております!

この記事を書いた人

へんしゅうちょう

編集長に任命され、ありがたく拝命したところ、名刺をよく見たら役職名が「いぶりがっこ編集長」でした。出身地はお察しください。米がうめぇ。