第2回 ダーツ議連が開催されました

 「生涯スポーツとしてダーツを推進する議員連盟(以下、ダーツ議連)」の第2回会合が、2022年12月5日(月)に開催されました。第2回会合では、新会長就任挨拶・ダーツ業界各団体代表からの要望提案・小学校でのダーツ導入実例紹介のほか、各省庁を交えての意見交換がおこなわれました。

これまでの活動はコチラから。

遠藤利明議員の新会長就任挨拶

前会長・河村建夫元衆議院議員(写真左)と新会長・遠藤利明衆議院議員(写真右)

 ダーツ議連新会長に就任された遠藤利明衆議院議員から、就任挨拶がおこなわれました。

遠藤会長「河村前会長とは、Jリーグ創設など、教育・スポーツの面でこれまでさまざまな場面で一緒に仕事をさせていただいてきました。“する・みる・ささえる”すべてがスポーツだと考えています。頭・体・さまざまな部分を使って、家族みんながいろいろな類のスポーツを楽しんでいけるよう尽力したいと思います。ダーツが健康的で明るいスポーツとして発展していくためのお手伝いができればと考えています。」

ダーツ業界からの要望と意見交換

 ダーツ業界各団体の代表者から、教育現場への導入や国体などの参加に関する意見提出・要望の発表がおこなわれました。経済産業省・厚生労働省・スポーツ庁・警察庁・デジタル庁など各省庁の代表者との意見交換を実施しました。

教諭から現場でのダーツ活用事例の発表

 今回のダーツ議連では、ダーツを導入している小学校・中学校の教諭が参加。ダーツが子どもたちに与える影響や教育面での有用性について、教育現場からの実例発表がおこなわれました。

東京都杉並区立富士見丘中学校
渋谷正宏校長

 渋谷校長は富士見丘中学校の「ダーツボランティア部」の活動について紹介。ダーツボランティア部では東京都杉並区の部活動活性化事業を利用し、地域のNPO法人から指導者派遣を受けています。

 ダーツを部活動に導入する利点として、障がいの有無・年齢・性別などに関わらずプレイでき身体属性がハンディキャップにならないことや、子どもの集中力アップに情緒体験を得やすく自信をつけやすいスポーツであることを挙げました。さらに導入面での利点として、普通教室で部活動がおこなえること、部活動を始める上での初期費用が比較的少ないことにも触れました。

 また、ダーツボランティア部では、学区域の社会福祉法人を会場におこなわれた「日本障がい者ダーツ選手権大会」や、富士見丘中学校を会場におこなわれた「シニアダーツ交流大会」に生徒がボランティアとして参加しています。

 部活動にダーツを選択する生徒は控えめな性格の子どもが多いことや、オンラインで対戦できるソフトダーツについて離島・過疎地の課題解決への期待を込めて言及しました。

神奈川県横浜市立森の台小学校 児童支援専任 特別支援コーディネーター
田崎誠先生
神奈川県横浜市立森の台小学校での取り組みに関するスライド発表

 田崎先生は森の台小学校で設立2年目の「ダーツクラブ」について発表。もともと「アナログゲームクラブ」として活動しており、将棋・オセロ・カードゲームなどをおこなっていました。その頃からソフトダーツも導入しており、アナログゲームクラブ時代も含めると、導入6年目になります。

 室内ゲームを扱うということでスポーツに苦手意識のある児童が集まる傾向があったこと、児童たちの希望でダーツクラブに活動変更したことについて紹介しました。

 ダーツは算数学習を導入できるほか、最大の魅力として「みんなで一緒に運動ができる」ことだと話した田崎先生。学年差・性別差・障がいのある児童も一緒に活動できること、個別支援級の児童たちに部活動の選択肢が増えたことについて触れました。真ん中(ブル)に当たると子どもたちが全員で歓声をあげお互いを認め称え合っていること、自分に自信が持てる子どもが増えていること、子どもたちの道徳教育にダーツクラブの活動が役立っており、文部科学省の提唱するインクルーシブ教育(※)に繋がると話しました。

 課題として、中学生に進学した際にダーツが部活動にないことを挙げました。「ダーツ部を設立したい」と意気込んで卒業した子どもたちも、環境によりほかの部活を選択し、本当にやりたいことができない状況について発表。加えて、小学校でもクラブ活動にするのが非常に難しい現状についても触れました。

※インクルーシブ教育:障害のある子どもたちと、障害のない子どもたちが、可能な限り、同じ場で共に学び合うことにより、両者にとってより充実した学びを提供しようとするもの。


ダーツ議連事務局長・朝日健太郎参議院議員(写真左)と司会の青山周平衆議院議員(写真右)

 今回の会合では、各代表からのさまざまな要望や発表がおこなわれ、それに対し多種多様な部門の代表者から意見を伺うことのできる非常に有意義な会合になりました。一方で、今以上に各地方のいわゆる「地元議員」をうまく巻き込み、ダーツの普及に活かしていかなければいけないという課題も挙がりました。

 小学校のクラブ活動では、子どもたちからやりたいことを募る形でおこなわれています。現時点で、小学生のダーツ知名度は低く、クラブ活動にはなりにくい状況にあります。小学生からダーツに触れてもらう機会を増やすためにも、もっとダーツを知ってもらう活動が必要だと感じました。

 ダーツ議連を通し、多角的に活動を進め、今後も生涯スポーツとしてのダーツ普及に尽力していきたいと思います。