真剣勝負!新たな出会いと広がる輪-「第1回スポーツダーツ競技大会2023」レポート【後編】

2023年8月26日(土)・27日(日)、セガサミーグループ本社内を会場に、第1回スポーツダーツ競技大会が開催されました。

先日ご紹介した前編に引き続き、翌日開催された中高生の部をお届けします。
※本大会は大人の監督下にて適切な指導のもと行われました。

≪前編は こちら

大会の様子をダイジェストでお届けします!

大会には、Webでの一般応募の他、“つくろう!ダーツ部 応援キャンペーン”から生まれたダーツ部のみなさん、さらに部活動ではないけれど「ダーツ」という共通の趣味でチームを組んだ(普段はスティールダーツを投げているんだそう!)高校生も参加してくれました。

※つくろう!ダーツ部 応援キャンペーンの第2弾が開催!(2023/10/2~11/30) 詳細は こちら

「緊張や不安はもちろんあるけれど、それよりも寝坊しないかが心配で…。」と笑いながら話してくれる選手達。中には遠方から2時間以上かけて参加してくれた子もいました。都内近郊に住んでいる中高生達もすっかり夏休みモードになっていたため、早起きするのは久しぶりだったそうです。

そんな選手達も会場に入ってダーツ台を前にすると目つきが変わり、開会式が始まる直前まで練習台を使って感触を確認します。大会スタートの合図「ゲームスタート!」の声は非常に力強く、気合を感じられました。

予選から繰り広げられる熱い展開と輝くスポーツマンシップ

ハットトリックからスタートしたり勝つために戦略を練ったりなど、相像以上にレベルの高い試合が繰り広げられます。

苦戦した試合で勝てた時は、拍手やハイタッチで喜びを表現する選手達の姿も。遠くから見ていても力強さがわかるガッツポーズからは、熱い想いも伝わってきます。

負けたチームは悔しそうな声を上げながらも“いい勝負だったね!”と、相手の健闘を讃えていました。中高生の部では、試合中に感じた良かったことを相手に伝えるシーンもよく見かけました。真剣勝負で集中しながらも、相手の試合を観察する姿勢はさすがですね!

対戦相手だけでなく、ペアの様子を見て戦略を立てるチームの姿も見られました。いつもより調子が悪そうに感じた時は、ペアが得意なナンバーを使って勝てるように工夫して投げる様子も。

“ナイスカバー!”“あとは任せた”“いいよ!その調子”“切り替えよう!”

声をかけ合い、相手を思いやりながら試合を進めます。相手を想う姿は、ペアの子に対してだけではありません。本大会ではダーツの試合に初めて参加する選手もたくさんいたのですが、投げ方や試合マナーを優しく教え合う姿もよく見かけました。誰に言われるわけでもなく、自然に手を差し伸べる姿は、まさにスポーツマンシップと言えるでしょう。

試合の合間には中高生らしい元気な姿も

他の選手に話しかけたいけど…何て話しかけよう。と躊躇していたのは最初だけで、試合が進むにつれてお互いにかなり打ち解けていた様子でした。

他の台の試合も観戦する様子や、負けてしまったペアの子を見つけ、“次の試合に向けて一緒に練習しよう!”と声をかける姿も見られました。練習台では、試合の時に見せる真面目な表情とは違い、リアクションも大きく笑い声も響き渡ります。

空き時間に部活動発足について詳しく話を聞いたり、練習できる場所の情報交換をしたりなど、ダーツ交流も次第に盛んになっていきます。

特に、スティールダーツで活躍している選手との交流は、大きな刺激になったようです。

“スティールの音ってすごくいいよね!”“20トリプルを狙うコツってある?”“スティールダーツプレーヤーから見てソフトダーツの難しいところってどんなところ?”など、種類の違うダーツに興味津々…!

ダーツの話だけでなく、好きなアーティストや趣味の話を楽しそうにしている姿はまるで学校の休み時間のようで、とにかく終始賑やかな会場でした。(青春ですね…!)

駒をすすめるごとに高まる会場の熱気と一体感

  

予選ラウンドロビンが終わってからも、ほどんどの選手が会場に残って決勝まで応援してくれました。

選手の緊張が伝わり会場がピンと張り詰め静まるシーンもありましたが、そんな空気に飲み込まれないよう、全集中して投げる選手達…!

“ナイスハット!”“ナイスグルーピング!”“ナイスカバー!”“ナイストライ”

見守る仲間達は、投げ終わるたびに盛大な拍手と応援の声を届けます。上がれずに悔しそうな顔を見せた時は、会場が一丸となってポジティブな声掛けでエールを送るシーンも…!共に戦い抜いた仲間を一生懸命応援する姿は、思わず胸が熱くなりました。

記念すべき第1回優勝は加藤&高橋ペア

なんと予選中から決勝まで、負けなし!2-0のストレートで勝ち続け、見事優勝を決めました。圧巻の強さを見せた加藤&高橋ペアにお話を伺いました。

Q:優勝おめでとうございます!今の率直な気持ちを教えてください

A:ただ、嬉しい!この一言につきます。ロビンから決勝までは楽しもうと思って参加していましたが、ロビンを1位で抜けられた時“いけるな”と自信を持てました。もちろん優勝するつもりで大会に参加しましたが、本当に優勝できて嬉しいです。

中学生時代に出会ったという2人。加藤選手が高校生になってからも、一緒にダーツを続けていたそうです。中学生時代によく足を運んでいた児童館でダーツに出会い、練習し続けてきた結果が今回の優勝につながったのかもしれませんね。

Q:スポーツダーツ競技大会にエントリーしようと思ったきっかけは?

A:Twitterの告知で知り、同世代が集まるダーツの試合はあまりないので、迷わずエントリーしました。ダブルスが出場要件だったのも、きっかけになったと思います。相方と一緒に出て頑張りたかったんです。

予選から決勝を通して、何度もアイコンタクトやハイタッチを繰り返していた2人。優勝が決まった直後、“絶対最後決めてくれると信じていた。相方がいたから頑張れた”とコメントするなど、お互いを信頼し合っている様子も感じました。このペアだからこそ勝ち取った優勝、お見事です!

Q:大会中に気になる選手やライバルはいましたか?

A:もう何人もいます!試合待機中に他の選手と一緒に練習していたのですが、何度もブルに入れるので怖いなぁと思っていました。(笑)決勝で戦ったペアは、ファースト選手に圧倒されて、試合中ビクビクしていたんです。でも“ここで入れないと…!”と気持ちを切り替えられたので、無事乗り越えられました。

“あのペア凄い…”と他の選手からも一目を置かれていた加藤&高橋ペアですが、2人も他の選手を意識して心臓がバクバクだったのだとか。たくさんの選手に注目されながらも、最後まで圧巻の試合を見せてくれました。

Q:今日の感想と次に向けてこれからの目標をどうぞ!

A:とにかく楽しかったです!同世代の子と一緒にダーツができて、いろんな選手から「今度一緒に投げようよ!」と誘ってもらえたのも嬉しくて。友達もできて、それだけでも来てよかったなと思っています。次の目標はもちろん、2連覇!がんばって練習していきます。

大会のルールや競技仕様を読み込み、浮力や飛び方を考慮したダーツのセッティングに変えて挑んでくれたそうです。圧倒的な存在感を見せながら、優勝まで勝ち上がった2人!他の選手が背中を追いかけてくると思いますが、次回の大会に向けてぜひこれからも練習を続けていってくださいね。

同世代プレイヤーとの出会い、そしてさらなる高みを目指して

同世代の活躍を目の当たりにした選手達は、新たな目標を立て次回の大会に意識を向けていました。

  • 次こそは…!この大会で優勝するのが今の目標です
  • 来年受験だからやめようと思ったけど、悔しかったから絶対に出ます
  • 本番でもっと実力発揮できるように、明日からまた練習したいです
  • 数字の削り方を工夫できるようになって、早く上がれるように練習します

悔しさをバネに目標を立てる姿は、たくましさを感じます。悔しさ以上にダーツに対するモチベーションが向上したのは、同世代の仲間達との出会いがあったからでしょう。

  • 同世代でダーツをしている子は周りにほとんどいないけれど、こんなに仲間がいることを知れて嬉しかった!
  • ダーツの繋がりから、学校とは違うもう1つの居場所ができた気がします
  • 最高に楽しかった!練習を続けて、またこの大会へ出場したいです
  • ダーツが好きな中高生がこんなにいたことを知れて嬉しいです。また大会で一緒に試合したい!
  • 来週一緒に練習することになりました。この出会いに感謝したい!

大会をきっかけにできた新たな出会いと繋がりは、中高生にとって大きな刺激となったようです。ダーツの輪はこれからも広がり続けていくことでしょう。

そんな様子を見守っていた施設職員さんにも刺激があったようで、施設交流戦の提案が出るなど、新たな機会が生まれていました。

スポーツダーツ競技大会に限らず、若年層ダーツプレイヤーが輝けるシーンがこれからもっと広がることを願っています。

おわりに

2日間通して開催された第1回スポーツダーツ競技大会にエントリーしてくださった選手の皆様、サポートしてくださった保護者・施設の皆様、ありがとうございます。

プレ大会の第0回から第1回へ一歩進んだスポーツダーツ競技大会は、子ども達の目標となるダーツ大会となって走り出しました。スポーツダーツプロジェクトでは、ダーツを楽しむ皆様のサポートをこれからも継続して参ります。

スポーツダーツの未来は、みんなで作るもの。

更なる高みを目指し、また大きく成長した選手の皆様にお会いできることを、スタッフ一同楽しみにしております。

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*昨年はプレ大会として大々的な告知はせずに既にダーツを導入してくれている児童館などを通し参加者を募りました

この記事を書いた人

WMプロダクション

スイカ / PERFECT所属:那須陽平 / JAPAN所属:浅野充照 / の3人よる団体です。

ダーツ情報/教育機関や福祉施設へのスポーツダーツ普及活動/ダーツの魅力や好きになるきっかけを発信をしております。こんなに楽しい競技をもっとたくさん知ってもらいたいと思います。