ダーツの教育的な利点を考えてみた

 スポーツダーツプロジェクトがスタートして、大きな反響がありました。その反響の多さに背筋が伸びる思いです。 
 そんな中、あらためてスポーツとしてのダーツの良いところを考えるいい機会だと思い、今回レポートしようと思います。ダーツの良いところは、三者三様でしょうし、いろいろなご意見あると思います。これを機会に皆さんの考えるダーツの良いところも知りたいと思っています。 
 今回は、ダーツと児童教育という側面から考えてみようと思います。 ダーツは、仲間同士で賑やかに楽しむことのできるエンターテインメントとしての側面のみならず、スポーツとしても、手軽さと高い競技性を備えているスポーツだということは、皆さんも知る所だと思います。 

 他のスポーツと比較すると競技参入への障壁が極めて低いというところが、ダーツの特徴であり良いところだと思います。

参入障壁の低い理由1:シンプルなアクション 

  ダーツは極めてシンプルなアクションで遊べます。三本一組の矢(ダーツ)を的(ターゲット)の特定の部分を狙って投げる、というものです。 それだけです。

参入障壁の低い理由2:ボーダーレスに誰でも遊べる 

 性別、年齢、その他の身体的な条件にあまり左右されることなく、誰でも楽しむことができます。野球やサッカーのような体格、筋力、体力の差が無くとも、誰でも参加できるので、健常者・障がい者が共に遊ぶことができる稀有なスポーツでもあります。例えば180㎝の男性に160㎝の女性が勝つことも可能ですし、障がい者と健常者がハンデなしで対等にプレイできるなど、他競技と比較しても、かなりボーダーレスなスポーツといえると思います。 

参入障壁の低い理由3:高価な道具は必要な

 ボードとダーツが三本あれば、始めることができます。高価な用具を必要としません。手軽に始めることができます。

参入障壁の低い理由4:安全に遊べる

 普及率の高いソフトダーツで遊ぶ場合は、矢の先端部分もプラスチック製のチップを使用するため、従来のスティールチップを用いたハードダーツに比べて安全性が高く、安心して手軽に始めることができるスポーツとして幅広い層から親しまれています。 

参入障壁の低い理由5:省スペースでプレイ可能

 ダーツはかなりの省スペースで楽しめるスポーツです。室内スポーツで手軽にできるというイメージでは卓球があると思いますが、ダーツは卓球以上の狭いスペースでプレイすることができます。例えば教室で何セットも設置することができるので、狭いスペースで多くの人が遊べる点では、卓球以上のポテンシャルを持っています。

 以上の特徴を踏まえつつ・・・。日本の児童教育が抱えている課題に、ダーツがその課題解決に貢献できるのではないかと考えてみます。

課題は児童の運動能力の低下とコミュニケーション不足 

 現在の日本は、社会の分野において技術の高度化、情報化等の進展が著しく、国民に恩恵をもたらしている反面、人間関係の希薄化、精神的なストレスの増大や運動不足等、心身両面にわたり健康上の問題を生み出してきています。 
 学校においては児童生徒の体位は向上しているものの、運動能力については逆に低下する傾向が続いています。また地域社会では都市型の進行などによる地域連帯感の希薄化で、子どもたちの遊びの形態が著しく変化し、地域においての日常生活の中で身体を動かす機会や場も減少しています。 
 近年、子どもたちが自分の感情や思いをうまく表現することができず、容易に「キレる」などの課題が指摘されています。このような状況を踏まえ、文部科学省は子どもたちのコミュニケーション能力の育成を調査・検討しています。

ダーツでコミュニケーションを 

 ダーツはコミュニケーションや協調性が生まれやすい競技として知られています。他の射的競技とは違い、中心に近ければ良いだけの競技だけでは無く、適度な緊張感の中、戦略や計算で脳を使いながらターゲットを狙わなければいけません。
 一本投げる毎にその状況に応じた計算が必要になるため、常にさまざまな計算が必要となります(自動計算機能のあるダーツは例外ですね)。そのような戦略や計算などを通して友達たちとプレイすることで、現代の児童生徒に不足しているコミュニケーションを育むことができると思います。 

ダーツを通して、子供たちの間で育まれるコミュニケーション
ダーツの得点を計算する児童たち

 ダーツは、フィジカルとメンタル両面がバランス良く発揮される競技であり、集中力の持続、コミュニケーションや協調性とった心のバランス感覚に特化しています。また将来的にはオリンピックやパラリンピック競技を見据えて、老若男女、健常者、障がい者にとって垣根の無いスポーツ競技として青少年の夢を与える場を作るべく、ダーツは健全に発展していくことが、未来につながっていくのではないかと思います。 

 今回言いたいことは、このくらいです。 

この記事を書いた人

糸井

ダーツライブのメディア関連のお仕事を担当しています。ライター/エディター出身です。