3月某日、東京都渋谷区立原宿外苑中学校にて、中学校としては初の開催となるパラスポーツイベント「原リンピック」の次回開催に向けたプレイベントが開催されました。
デフリンピアンである空手選手のパフォーマンスや手話・ハンドサインの体験の後、全校生徒約300人がスポーツダーツ交流企画で教員やハンディキャップを持つゲストと共に盛り上がりました。
スポーツダーツプロジェクトもお手伝いしてきましたので、その様子をご紹介します!
生徒が考えた「どんな人でも、誰でも楽しめるスポーツって何だろう」

今回のイベントは、生徒会が中心となって企画。
生徒たちがパラスポーツを軸とした「原リンピック」開催を見据えて、『誰でも参加できるスポーツって何があるだろう』と考えた結果、ダーツが候補に挙がったといいます。
そこで! 「ダーツを誰もが楽しめるスポーツに」を掲げ活動しているスポーツダーツプロジェクトが協力することになりました。
学校にダーツに必要な道具一式を提供し、イベントに先駆け一年生から三年生までの全クラスの体育の授業でダーツを体験してもらいました。
授業の最後には、予選を開催してクラス代表ペアを決定!
イベント当日は、そこで決められたクラス代表ペアが集い、全学年・全クラス対抗によるダーツ大会を実施しました。


生徒や教員、ダーツ選手、デフリンピアン、全盲シンガーが一緒にダーツ
ダーツ大会で見事優勝したのは体格差のある三年生ペアに打ち勝った一年生ペア。
身体能力に関係なくプレイできるダーツらしい結果となりました。
優勝した一年生ペアは、その後エキシビションマッチへ。
エキシビションマッチでは、教員やデフリンピアン、全盲シンガー、そしてプロダーツプレイヤーと対決!
ハンドサインや大きなモニターへのスコア表示、ダーツの矢が的に刺さった瞬間に鳴るサウンド演出で、障がいの壁を飛び越え、会場が一体となり大盛り上がりとなりました。


「ダーツ」で共生社会の実現に貢献していきます
スポーツダーツプロジェクトでは、ダーツを「スポーツ」として認識される未来をつくり、ダーツを社会貢献に繋げていく活動として学校内で気軽にダーツに触れられる機会の創出を推進しています。年齢や身体の差などに関わらず、誰とでも楽しめる交流できるダーツの特徴を活かし、これまで小中学校や特別支援学校での授業、高等学校への部活動設立支援などを行ってきました。
さまざまな取り組みから浮き彫りになってきたのは、人と人を結びつけるコミュニケーションツールとしてのダーツのポテンシャル。ダーツはハンディキャップを持つ人と健常者が同じルールで同じようにプレイできることが大きな特徴です。

イベント本番前には、全盲シンガーの栗山さんにダーツをレクチャー。
的を目で見て狙うダーツですが、的の裏で手を鳴らして方向感覚をつかんでもらうなど、少しの工夫と試行錯誤によって矢が的に刺さるようになり『刺さった瞬間にサウンドが鳴るので喜びがある』というコメントをいただきました。サウンド演出やスコアを音声で読み上げるソフトダーツならではの特徴にも、思わぬ可能性を感じました。
これからも、ダーツのポテンシャルを最大限に活かしていくための取り組みを続けていきたいと思います。