【ダーツ導入事例】シニア施設の運動プログラム

 埼玉県志木市にある健康増進型・賃貸シニアレジデンス『オウカス志木』。こちらでは2023年から「ダーツ」が運動プログラムの一つとして取り入れられています。ダーツが置かれているのは、入居者の健康増進を目的とするフィットネススタジオ。ランニングマシンやトレーニング器機が常設されており、ウォーキングやヨーガなどのプログラムも実施される共有スペースです。

埼玉県志木市にある「オウカス志木」

ダーツを取り入れてから早1年。今では入居されている方たちが、自ら集まってダーツの時間を過ごしているといいます。そこで今回は実際の様子を見学させていただきながら、「オウカス志木」で入居者の運動機能をサポートする運動指導員・小林宏光さんにお話を聞いてみました!

「オウカス志木」運動指導員・小林宏光さん

運動習慣は健康増進の秘訣!ダーツなら身体も心も元気に

 ――まずは、なぜダーツを取り入れようと思ったのか教えてください。

小林さん

もともと自分がプライベートで楽しんでいたのですが、体力差に関係なく、簡単な動作で行えるところに運動としての魅力を感じたんです。それでまずはお試し…という感じで取り入れてみたら、想像以上にダーツがシニアの方々にも合う運動だと実感しました。

運動のほかにもカードゲームや映画鑑賞会など充実のプログラム

――入居者のみなさんは「ダーツ」に対してどんな反応でしたか。

小林さん

「ダーツなんてやったことないよ」と全員が言っていましたね(笑)。なんとなく矢を的に向かって投げるものというイメージはあるものの、「どうやるの?」という状態でした。

――そこからまだ1年弱ですが、みなさんお上手で驚きました。

小林さん

私自身もここまでダーツにハマっていただけるとは思いませんでした。「まさか自分がダーツをやるようになるなんて」とおっしゃいながら、毎日のように朝練に励んでいる方もいます。

――「朝練」まで!

小林さん

このスペースは、朝7時から夜20時まで自由に解放しているんですが、朝の散歩後に立ち寄ってダーツ、昼食後にもダーツ、夜寝る前の余暇時間にもダーツ…と朝昼晩のルーティンにしてくださっている方もいます。健康寿命を伸ばすためには、継続した運動が重要ですが、これを実行していただくのは難しい。それがダーツのお陰で自然にできている状態というのは、運動指導員として非常に嬉しいです。

ダーツのコツを教える小林さん

――すでに「マイダーツ」を持っていらっしゃる方もいると聞きました。

小林さん

ダーツ大会を実施したとき、優勝者への記念品としてダーツをプレゼントしました。やっぱり自分専用のモノがあると愛着も沸きますし「ダーツ、投げようかな」という運動のきっかけモチベーションにも繋がったらいいなと思って企画しました。

――大会ですか!どんな内容で実施したのでしょうか。

小林さん

みんなでワイワイできるのと、個人の真剣勝負で盛り上がれたらいいなと思って、団体戦と個人戦で実施しました。団体戦は、みんなで「カウントアップ」(※)をプレイして、総スコアの最も高かったチームが勝ち、という感じ。個人戦は、「301」(※)で競いました。

※カウントアップ…0点からスタートし得点を加算していくゲーム。1ラウンド3本ずつダーツを投げていき、8ラウンド終了後の得点を競う。
※301…全員が同じ持ち点「301点」からスタート。ヒットさせた得点が持ち点から減っていき、先にピッタリ0にした人が勝ち。

――実際にやってみていかがでしたか。

小林さん

思った以上に盛り上がりましたよ!ダーツって、自然と会話が生まれるスポーツだと感じました。団体戦はもちろん、個人戦でもコミュニケーションが生まれるのは、結構めずらしいと思います。しかも笑いが起こる。みなさん笑顔なんですよね。そこがダーツのいいところだなと思いました。

この日も入居者同士で和気あいあいとダーツを教え合っていた

――イベント後、何か変化はありましたか。

小林さん

みなさん楽しかったようでリクエストもあり既に2回目を実施済みです(笑)。その後のダーツプログラムのときに「あのときは惜しかった~」「次こそ優勝するぞ」という活気ある意気込みや「初代チャンピオンはうまいなぁ」「二代目も負けていない!」と賑やかです。

――改めて、ダーツをプログラムに取り入れた感想を聞かせてください。

小林さん

「オウカス志木」で、運動をはじめさまざまなプログラムを提供している目的の一つに入居者のみなさんに部屋から出てきてもらいたいということがあります。自室に籠もりがちになると、自ずと人と会話することも運動量も減りますから、脳や身体機能がどうしても衰えていく。そういう状況をつくらないためにも、部屋から出るきっかけを提供していきたいと考えています。ダーツは、そんな私たちの願いにピッタリ合っています。

運営面でも、広いスペースや大きな道具が不要なのもいいですよね。施設運営においてスペースや道具という懸念はつきもの。ダーツなら使っていないときでも邪魔になりにくいのもメリットだと思います。


――小林さん、ありがとうございました!

「オウカス志木」でのダーツ、その様子は?

 さて今回、「オウカス志木」でスポーツダーツプロジェクトがダーツレッスンをさせていただきました!その様子をちょっとだけご紹介します。

こんな感じで入居者のみなさんにお知らせ

 ダーツレッスンには、毎日ダーツを楽しんでいるという方から初挑戦という方まで、15名の方がご参加くださいました!

開始前から「フォームを撮影させてほしい」という熱のあるご相談も!
レッスンでは投げ方の基本を改めてレクチャー。みなさん真剣!

説明が終わったら、いざ実践です🎯

誰でも簡単にできるのが、ダーツのいいところ。
持ち方、投げ方…会話も弾みます。
こちらは小林さんが企画した大会の初代チャンピオン! 狙ったところにダーツが入って良い笑顔☺
『ダーツ、面白いもんなぁ!』と積極的だったのは二代目チャンピオン!ブル、20トリプル、20ダブルというスゴ技プレイを披露👏

取材を終えて

スポーツ経験に関係なく、個人の体力に合わせて楽しめるダーツ。私たちも「オウカス志木」の様子を見学し、ダーツで生まれる笑いとコミュニケーションには、心の「健康寿命」をも伸ばす力があると実感しました。ダーツには、まだまだ新しい可能性が潜んでいそうですね!

この記事を書いた人

chiineko

猫とドライブが好きな社会人1年目。"楽しい”を広めるお仕事をしてます。