体育の授業でダーツを「研究」 / 実際はどんなことをやっているの?

前回記事です

 先日公開した、東京工業大学付属科学技術高等学校(以下、東工大付属高)での取り組みについて、SNSを中心に反響をいただきました。教室の中にデデーンと置かれるダーツライブ3。記事を読んでくださった皆さんに驚いていただけて何よりです。

そもそも東工大付属高ってどんな学校?

 東工大付属高は、国指定のスーパーサイエンスハイスクールであり全国でも珍しい国立高校。学校の特性の通り、授業内ではさまざまな「研究」がおこなわれています。もちろんそれは体育も同じ。

 スポーツダーツプロジェクトでは、2019年度より東工大付属高に教材としてダーツボードを提供しました。体育の授業内でおこなわれている「体育研究」にて生徒の皆さんにダーツをプレイしてもらっています。

「体育研究」って何をするの?

 体育の授業で「選択制」で自分の好きなスポーツを選んだ経験がある方はいると思いますが、東工大付属高ではその選択肢のひとつに「スポーツダーツ」が導入されています。

 「体育研究」の特殊なところは、体育の種目としてスポーツダーツを楽しむだけでなく

①自分なりの課題を発見
②課題を克服するための方法を考える
③考えた方法を実行する
④方法が最適だったか検証する

 というステップがあること。1回の授業内で毎度このステップをおこない、次の授業では新たな課題に向き合ったり、前回の反省を生かした改善案を試したりします。

練習方法、斬新すぎ!

 生徒さんたちの「課題」を見ると、おおむねダーツ初心者がぶち当たるのと同じ悩みが上がっていました。

 ・筋力不足(的に届かない、体全体を使ってしまう)
 ・体幹不足(投げるときに体がふらついてしまう)
 ・経験不足(狙ったところに当たらない、01ゲームで0点ぴったりにならない)

 ・集中力不足(ゲームの終盤まで集中力が保てない)

 多くの方はこのあと筋トレをしてみたり、経験者の方に投げ方を習ってみたりするもの。そかし、そこはさすが東工大付属高の生徒さん。練習方法がだいぶ変わっていました。中でも「これはだいぶ斬新すぎて思わず唸ってしまった」面白い練習方法を2つご紹介します。

筋トレ・体幹強化:わざと全然違う姿勢でダーツを投げてみる

生徒さんのレポートより引用
そんきょ(蹲踞)とは、相撲や剣道等で対戦前に爪先立ちで膝を開いて上体を起こすポーズのことです。

 多くの生徒さんが腕力・体幹不足とダーツを投げる動作の不慣れさを課題に挙げている中、画期的だな~と思ったのがこちらのアイデア。ダーツを投げるときとは全く違うポーズで投げつつ、ダーツを手に馴らすことができて一石二鳥! 筋トレや体幹トレーニングは辛い作業になりがちなので、ダーツプレイヤーの方でも家での練習中などで気分転換にやってみる価値アリの方法だと思いました。

集中力アップ:計算問題をたくさん用意してひたすら解きながらダーツをする

 生徒さんのレポ―トの中に「集中力を上げるため、60分以内に解けない量の問題を用意して、ひたすら解く」とありました。先生に詳細を伺ったところ、問題を解いてはダーツを投げ、問題を解いてはダーツを投げ、という動作をひたすら繰り返していたとのこと。たしかに、テスト中などここぞ! という瞬間には一気に集中力が上がるもの。それを利用してダーツの練習に活かしていたようです。実際にダーツの命中率も上がったとのこと。非常に斬新な練習方法だと思いました!


 そのほか、ボードの範囲を分割して狙いを集中させる練習や、理想のスローフォームをどれだけ再現できるかスマホで録画し確認しながら練習した生徒さんが複数名いました。

生徒さんのレポートより引用
生徒さんのレポートより引用

(番外編)睡眠時間を増やす

 体調が安定しないと、ダーツの成績も不安定になるという仮説から「睡眠時間を増やしてみる」という方法を実践した生徒さんがいました。実はこの生徒さん、普段は2~3時間睡眠というショートスリーパーさん。ダーツ練習のコンディションを整えるために睡眠時間を5~7時間まで増やしたそうです。結果、体調が安定しダーツの成績は向上したとのことでした。やはり寝ることは何につけても大切なのだと思い知らされました。睡眠は、大事!


 スーパーサイエンスハイスクールならではの独特な切り口からダーツ上達に励んでくれた生徒の皆さん、本当にありがとうございました!

この記事を書いた人

へんしゅうちょう

へんしゅうちょう

編集長に任命され、ありがたく拝命したところ、名刺をよく見たら役職名が「いぶりがっこ編集長」でした。出身地はお察しください。米がうめぇ。