【コロナ禍】学校行事が全部なくなってしまった高校三年生の前にダーツが出現!

このイベントの動画はこちらで視聴できます。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、さまざまなイベントごとが延期・中止に追い込まれた2020年。野外イベント、コンサートなどに限らず、学校にもその影響は及んでいました。

 2019年度より、体育の授業内で「スポーツダーツ」を扱うようになった東京工業大学附属科学技術高等学校(以下、東工大付属高)でも予定されていた学校行事はすべて中止に。今年の三年生は、高校最後の思い出の年に「ひとつも行事がない」生活を余儀なくされていたのです。

 そんな厳しい状況のさなか、生徒さんたちを想う先生方が、とあるイベントの開催を決定しました。

体育研究についてはこちらの記事をご覧ください。

「体育授業成果発表会(体育祭)」で盛り上がろう!

 そのイベントの名前は「体育授業成果発表会」。例年は体育の授業内の1カリキュラムであるこの発表会に、体育祭の要素をドッキングして実施することになりました。発案と運営は先生方、運営補助は生徒会の皆さんです。

 開催日は2020年12月某日に決定。しかし、日に日に新規感染者が増えつつある状況下だったため、中止も視野に入れつつ準備が進められていました。開催2日前に正式に実施が決まったものの、生徒さんたちには「当日は自由参加」と学校側から通達が出ていました。

 そして迎えた開催当日。全然参加者がいないかも・・・と思いながらも、我々スポーツダーツプロジェクトチームは運営のお手伝いのために学校へ。するとほとんどの三年生が登校! 人数不足になることなく、イベントは予定通り開催される運びとなりました。

いざ、ダーツ対決!

 満を持して始まった体育授業成果発表会。大会形式は、以下の通り。

予選 :三年生が4チームに分かれ、全員のカウントアップの合計点数を競う
決勝戦:予選を勝ち抜いた2チームで501対決

 ゲームスタート! 待ってましたとばかりに、生徒のみなさんは一斉にダーツを投げ始めます。体育での経験も相まって皆さんスローイングは完璧。点数に一喜一憂しながらも、どんどん試合は進んでいきます。

見事ブルに命中させる生徒さんも!

 カウントアップが終了したら、都度計算用紙に記載していた個人点数を計算しチームの合計点を出します。この、合計点の足し算のスピードが、尋常じゃなく速かった・・・!

点数計算は、ハイスピード暗算でした(横の電卓はあくまで確認用)。

 目にもとまらぬ速さで、あっという間に決勝に進む2チームが決定しました。

この日だけのサプライズ!

 実はこの日、決勝戦がはじまる前からずっと生徒さんたちは「あること」にそわそわしていました。それは…

 教室の、しかも黒板の前にドーンと置かれた、最新ダーツマシン「ダーツライブ3」! 

 実は予選前からすでに教室に設置されていたのですが、生徒さんたちには「いつ使うのか」を内緒にしていました。このマシンで投げられるのは決勝戦へ進んだ生徒さんのみ、というサプライズだったのです! 

エレベーターがないので運びます。

生徒さんが来る前にセッティング。急げ―!

 「決勝戦はこのマシンを使います!」というスタッフの声に、勝ち残った生徒さんたちは大歓喜。皆のワクワクそわそわ顔がさらに元気になったところで、いよいよ決勝戦がスタート!

(搬入を手伝ってくれた生徒の皆さん、本当にありがとうございました)

決勝戦も白熱の対決に

 決勝戦の対戦ゲームは501。勝利条件は0点にするか、より0点に近い点数で最終ラウンドを終えること。優勝するのはどちらのチームか、緊張が高まります!

 ゲーム終盤、上がり目(3投以内で0点にできる点数)まではいくものの、そこからぴったり0点にするのが難しいのがこのゲーム。生徒さんたちの「あーーー!」「点数高すぎる!!」といった悲鳴が轟きはじめました。そして試合は・・・

 残り4点!

 教室中の注目が一気に集まります。しかも最終ラウンド、ここで決めなければ負けてしまうかもしれないというプレッシャーが、プレイヤーの生徒さんに襲い掛かる! しかし・・・

 そんなプレッシャーをものともせず、0点で終了! 見事、このチームが優勝を勝ち取りました。おめでとうございます!

教室中は大歓声に充ち溢れました!

優勝に大貢献した生徒さんの声

 最後の一投を見事に決め、チームを優勝に導いた水戸さんのインタビューです。

 「練習の時は、カウントアップで553点出ていたのに、試合になってから全然点数が取れなくて焦りました。決勝の最後はダブル(点数が2倍になるエリア)を狙ってたんですが、ちょっと無理そうだったのでシングルで行きました(笑)。今日のために昨日ダーツを練習しに行って、昨日は600点くらい出てました。カウントアップを3回、ゼロワンを3回やってきました。練習で最初に行ったのは秋葉原のバグースさんで、昨日は亀戸にある快活CLUBさんで練習してました。緊張しましたが、優勝できてよかったです!」

写真はNGで! ということだったので、とっておきのマイダーツだけ撮影させていただきました。

 水戸さんは、当日マイダーツを使用して参加していました。体育の授業前はダーツ未経験、今ではすっかりダーツにハマってしまったとのこと。「ダーツ好きです。これからも楽しみたいと思いました。カウントアップで750点出すのが目標です!」と満面の笑顔で話してくれました。優勝おめでとうございます!

先生の想い

 体育授業成果発表会の運営担当、東工大付属高の佐藤先生にお話を伺いました。

生徒会顧問の佐藤馨一朗先生。撮影の時だけ、マスクを外していただきました。

 「今年は年度の始めから新型コロナウイルスが流行していた影響もあり、登校日が減ることも考慮して体育で選択できるスポーツを縄跳び・フラフープ・スポーツダーツ・ドッジボール・バスケットボールの5種目に絞りました(※)。

 今日のイベントは自由参加にはしていましたが、たくさんの生徒が参加してくれました。ダーツは特に、体育授業以前にはプレイしたことがない生徒がほとんどだったので、体育授業をきっかけにダーツを好きになった子が多かったようです。だから、今日の大会を楽しみにしていたんじゃないでしょうか」

※前年までは生徒さんが興味のあるスポーツを自薦する方式で、ブレイクダンスやパルクールなどかなり多様な種目がおこなわれていました。

体育授業成果発表会を経て

 マスクを必須、殺菌徹底などウイルス対策をしながら行われた今回のイベント。苦しい状況に置かれたときにこそ、「楽しい」という気持ちは力になるのだと生徒さんの参加率やマスク越しに見える元気な表情から実感できました。

 スポーツダーツプロジェクトは、今後も東工大付属高でおこなわれる体育授業への支援を継続していきます。来年度の三年生の皆さんにも、スポーツダーツの楽しさに気が付いてもらえるよう尽力していきたいと思います。

番外編

 優勝チームのために、学校の3Dプリンターで作ったという盾。緑色のプレートの真ん中には、優勝チームのクラス名が刻まれた金プレートがこれから入ります。

 そして大会中、生徒さんや先生方がつけていた水色のマスク。これも学校で作ったマスクだそうです。なんでも自分たちで作ってしまう、さすが東京工業大学付属科学技術高等学校!

この記事を書いた人

へんしゅうちょう

編集長に任命され、ありがたく拝命したところ、名刺をよく見たら役職名が「いぶりがっこ編集長」でした。出身地はお察しください。米がうめぇ。