ダーツで勉強もできちゃう!? ダーツで教材を作っています

 今回はダーツの“勉強的な面”に着目したお話をしたいと思います。

 18×3=?
 19×3=?

 ダーツをやっている人なら、1秒もかからずに答えられると思います。でもこれって、結構難しいかけ算だと思いませんか。九九の域をはるかに超えた2桁のかけ算です。さらに、

 18×3+19×3+16×3=?

 1スロー分の計算です。「ホワイトホース」ですね。ダーツをしていると、ほぼ無意識にこんなに難しい計算をしているのです。

ダーツで勉強する「算数ダーツ」

 ダーツをしていると自然と計算力も身につくという、勉強面でもダーツは有効と当プロジェクトは考えています。そこで、ダーツを利用して楽しく勉強ができないか、そう考えて、ダーツをテーマにした算数ドリルを作ってみることにしました。子どもたちと親御さんたち、欲をいえば学校の先生たちにも、“楽しい教材”として選んでもらえるような―目指すは、う〇こドリル!

 いろいろな算数ドリルを参考にし、自分のウン十年前の記憶を掘り起こしながら、ダーツらしさも残しつつ…。

 現在制作中の問題の一部を紹介します。

  • ダーツの点数
    ダーツボードの点数の「見方」の問題です。2桁の数を2倍、3倍するので、かけ算の練習になります。
  • 点数探し
     指定された点数がボード上のどこにあるかを答える問題です。前述した「ダーツの点数」の逆で、割り算の練習になります。また、答えが1つとは限らないので、公倍数の考えにもつながります。
  • カウントアップ勝つのはどっち?
     ヒットしたエリアからカウントアップのスコアを計算する、足し算・かけ算・大きな桁のオンパレードです。
  • 3投で出せるかチャレンジ
     実際にダーツを投げ、1スローで出したスコアを記録していき、3投で出せるすべてのスコアを出すことを目指します。自分が目指すスコアを出すためにはどうヒットしたらよいかを考え、1投目が失敗したら再計算をする。迅速な計算力が必要です。ダーツのスキルアップにもつながります。
見た目にもダーツを多用して、ダーツっぽさを出しています
※画像は制作途中のものです。正式公開するものとは内容が変更になる場合があります。

 ドリルのタイトルを「算数ダーツ」と命名しました。

「算数ダーツ」ロケテスト

 ここまで作ったところで、近くで子どもたちが集まるダーツ教室があると聞きつけ、実際に算数ダーツを試してもらう運びとなりました。

 都内某所、4歳から13歳までの10人の子どもたちが集まりました。ダーツをプレイする前に、算数ダーツを解いてもらい、終わった人からダーツができるルールです。

ダーツをしに来たのに、算数をするなんて…最初は少し戸惑いましたが、要領をつかんだらすいすい解いていきます。
お父さんの熱い指導が入ります。

 算数ダーツ終了後に実施したアンケートでは、嬉しいことに、「またやりたいくらいおもしろかった」という回答を多くいただけました。親御さんからも反応がよく、「もっとこうしたらどうか」「こういう問題はどうか」などのご意見もいただきました。普段からリアルな教育の場にいる方のご意見、とても参考になります。

 しかし一方で、とても面倒がりながら嫌々問題を解く子もいて、やはり「勉強をやらされている」感は拭いきれなかったと、次回の課題として持ち越しです。

 そして、とても盛り上がっていたのが、ダーツをしながらできる「3投で出せるかチャレンジ」。現場の機転で、“対戦形式で、既に誰かが出したスコアを出したら負け”というルールに変更し、3人でプレイしました。その中で一番年下(10歳)の子がさりげなく見せた計算の早さに驚かされました。“無意識に計算力を高める”ダーツのポテンシャルが現れた瞬間でした。

狙いを外した時や、もう出たスコアに被ってしまった時は、大爆笑でした。
ダーツボードの自動計算機能は使わずに、ずっと暗算でプレイしていました。

今後の展開予定

 ロケテストでの反応を踏まえて、算数ダーツをさらに楽しいものに仕上げていきたいと思います。また、ダーツを絡めたいろいろな種類の問題も引き続き考案していきます。特に01ゲームのあがりの場面なんかは、いい算数の問題が作れそうですよね…。さらに、他の科目にもダーツをこじつけられないかと企てています(笑)。

 作成した算数ダーツは、本サイトでダウンロードできるようにする予定です。アップまでしばらくお待ちください。

目指せ! 「算数ダーツ」完成

 「算数ダーツ」制作にあたり、教育に関して素人の私が、さまざまな教材を参考にし、私自身も勉強しながら作らせていただいています。しかし、「算数ダーツ」は、私が完成させることが目標ではありません。
 今回、この拙い教材を公開したのは、算数ダーツが教育関連のプロの目に留まり、勉強の観点からもダーツに注目するきっかけになればと考えたからです。そして、教育の場でダーツが活用され、どこかで算数ダーツの完成形が生まれることを願っています。

 最後に、算数ダーツロケテストにご協力いただきました、ダーツ教室運営者のみなさま、採点だけでなく子どもと一緒に問題に挑んでくださった親御様方、そして、大好きなダーツをお預けにして算数の問題に取り組んでくれた子どもたちに、改めて感謝申し上げます。

この記事を書いた人

JY湘南

このサイトでライターデビューを飾ります。
湘南生まれ、湘南育ち、趣味はスキー・スノーボードです。