2025年11月、世界的教育プログラム「Design for Change(DFC)」が国際イベントを開催し、世界10か国から子どもたちとその保護者、教職員の方が来日しました。イベントの一環として11月28日(金)には東京都にある渋谷区立代々木中学校では学生と訪日外国人との交流会が開催されました。
今回、代々木中学校での交流の中心となったツールがダーツ。日本の中学生と、海外からの参加者がペアを組み、約100組200名による大規模なダーツ交流会が行われました。
このイベントの様子を写真とともにお伝えします。
イベントは全て生徒主体の企画・運営

今回の交流会には、ダーツ界のレジェンドとして世界的に知られるポール・リム選手が特別ゲストとして参加しました。
このイベントは、企画・運営・進行に至るまで代々木中学校の生徒が全面的に担当。ペア分け、ルール説明、司会進行、英語でのアナウンスなど全て自分たちで行いました。説明には必ず、日本語の後に英語が添えられる進行で、イベントの流れを止めないよう正確に情報を伝えることは想像以上に難しい作業です。しかし生徒たちは落ち着いて、堂々と役割を果たしていました。

特に司会を務めた生徒は、ポール・リム選手の英語のコメントをその場で聞き取り、瞬時に会場へ伝えるという高度な役割を完璧にこなしていました。周囲が驚かないほど自然な通訳ぶりに、日ごろから培われた英語力の高さを感じることができました。
ダーツだからこそできたコミュニケーション
当日は、体育館に10台のダーツボードを設置し、1台につき10組が並ぶイベントに。待機時間が長くなる場面も懸念されましたが、参加者は自然とジェスチャーや笑顔でコミュニケーションを取り合い、言語の壁を越えて交流が生まれていきました。共通の趣味の話で盛り上がる姿もあり、中学生の英語力にも驚かされました。


海外からは小学低学年ほどの子どもから大人まで幅広い年代が参加していたのにも関わらず、とても楽しそうにダーツを投げていました。
その理由のひとつが、代々木中学校の生徒の“伝え方の工夫” です。
投げ方を教える際、難しい言葉を使わず、「ポン! ポン! ヒュー! ブル!」と擬音を使ってリズムよく説明。海外参加者はすぐに笑顔になり、楽しそうに的へ投げる姿が見られました。


また、高得点を取るとその台で投げていた参加者全員で拍手をし、歓声をあげるなど、ペアだけでなく様々な人とのコミュニケーションがありました。
これは、“言葉が通じなくても伝わる” ダーツの魅力を象徴する光景でした。
ポール・リム選手も参加した決勝戦は大歓声

カウントアップの予選を勝ち抜いた上位3組はポール・リム選手と共にステージで決勝戦へ。
スクリーンにはダーツライブホームの画面が投影され、会場全体が息をのんで見つめます。そしてブルやトリプルに入ると子どもから大人まで一斉に歓声が上がりました。
この決勝戦では、「世界が同じ瞬間で盛り上がるダーツ」の姿がありました。どのペアも非常に接戦でとても盛り上がり、ポール・リム選手のハットトリックなどスーパープレイを見た参加者はとても興奮している様子でした。


今回参加してくださったポール・リム選手に感想を伺いました。
ーこのような国境を越えたイベントに参加してみての感想を教えてください。
「まず、このようなイベントに参加できてとても楽しかったです!みんなを見ていて、ダーツの持つ魅力を感じる素晴らしいイベントだと思いました。みんなが積極的にコミュニケーションをとっていて、チームワークであったり、絆を作ることができていて、ダーツの未来のあるべき姿を見ることができました。最後の決勝戦は今までのどの試合よりも緊張しました。笑」

国際交流の“スタンダード”としての可能性


今回のイベントは、代々木中学校の生徒たちの主体性、そしてダーツが持つユニバーサルな魅力が重なったことで実現しました。
- 言語が違っても楽しめる
- 年齢が違っても同じ条件で挑戦できる
- 成功しても失敗しても一緒に笑い合える
これらすべてが国際交流を自然に生み、会場全体にポジティブな空気が広がりました。
ダーツが世界とつながるツールとして成長していく未来を、強く感じさせる1日となりました。






